読み終えた感想をぱぱっと。
「未来日記」と呼ばれるこれからの未来が記された日記を携え、唯一人の勝者になり神を目指すサバイバルデスゲームもの

主人公の雪輝くんの能力は「無差別日記」で自分以外の周りを記録し続けたもの。ただし自分のことには一切触れていないので、その日記の結果自分がどうなるのかがわからない。
雪輝くんは見た目通りおどおど頼りなさげな少年。
そんな彼の隣にいて快刀乱麻の活躍を繰り広げる少女こそ彼の最大の味方であり敵なヒロイン:我妻由乃。

ヒロインのヤンデレっぷりが有名な作品ですが、そのヤンデレ設定もただの舞台装置なんかじゃ飽き足らず作品の根幹を担う立派な設定で感嘆しました。
振り返ると愛!愛!愛!って作品でしたね。
作品を通して唯一、神であるデウスまでも驚いた因果律の崩壊(我妻邸での死体発覚)の種が明かされた時には思わず息を呑みました。

初登場がゴスロリツインテで僕の好み100点満点なはずなのにまるで全く本人に似合ってない大胆不敵テロリストな「みねね様」と、新興宗教で担がれてるメカクレ影気味和服巫女の「春日野椿ちゃん」がとても可愛かった。
みねね様は未来日記モザイクで、椿ちゃんは未来日記パラドックスでしっかり描かれたことで満足。
とくに椿ちゃんは本編だと絡み薄いのですっげぇ嬉しかった!


以下ネタバレ


まさかデスゲームものにタイムリープを組み合わせるなんて、面白くならないわけがないよねー。
プリンアラモードにパンケーキ載せるみたいな? 贅沢コラボレーション。
せっかくのタイムリープものならデジャヴュが脳裏をよぎるなんてのも良さそうだなって思った。
日記には書かれてないのに(なぜだろうか、僕はこの先の展開を知っている……!)なんて。

3体目の死体のくだりはほぉ……ってなった。
勝手にえ?まさかユッキーの死体か? ととんちんかんな方に思考がスライドしてたのは内緒。
過去の自分を殺してまで救いを求めてた我妻さん(敬語)の精神はもうボロボロ。

神を目指してからの覚醒ユッキー好きだった。
きっと一週目でユノを守ろうと必死になってたユッキーはああだったんだろうな。
神になるため、他者をとことん切り捨てていく残忍さ。
11th襲撃に見せかけた8th殺害計画のところ、つい優しさからポロっと「逃げたほうがいい」なんて漏らしちゃう善人さこそが日記所有者のなかで神を目指さなかった彼の良心だったのに。もう引き返せはしないんだなーってホロリ。

あのあとの3週目は結局どうなったんだろう?
因果律の歪みで皆が救われ、11thの提言によりデスゲームも開催されず、そのまま既プレイヤー兼旧神の由乃が引き継いで神になって2週目雪輝の世界にカチコミ?
デウス生きてるけどな! もう愛の力ってことでいいや!

「知っているか? ヤンデレからは逃げられない」だと思えば「ヤンデレならやりかねませんな」と、さながら六軒島の金蔵評のようにならざるをえない。

終わりよければ全て良しで「星を見に行こう」で締まるのは最高にHAPPY END.
過去に戻るときに星空を抜けていくところも綺麗で良かった。

欲しい日記は無差別日記デース