一月。
新年を迎えました。
大晦日に除夜の鐘が荘厳な音を奏でるなか、ひとりコタツに入ってぬくぬくとカップそばを食べおえそのままぽかぽかと寝入ってしまった私には、いつ年を跨いだのかを思い出せずにもやもやとする。
初夢も特にパッとしたものではなく、あひるや鴨に追われ続ける夢でした。
これが何を意味するのか、ろくなことでもなさそうなのでフロイトさんには聞かないことにします。

さて、冬休みが今日で終わり明日からは学校が始まります。
三ヶ日には行かなかった初詣に行こうとする。
そんな日の話。


「あけましておめでとう!」
あけましておめでとう。
朝の10時くらい、家を出るとヨミが立っていました。
「いやー! 今年初乙女だね!」
なんだその謎単語。
「はいこれ、オーストラリア土産だよ!」
あら、これはどうもどうも。
両手にぶら下げていた紙袋を受けとると、ずっしりと重くよろめきかける。
こんなに何を買ったんですか?
「えーっと、コアラの剥製にストラップとカンガルーの缶詰といきなりだんごにゆずメンマと……」
つらつらと並べてる後半から明らかに旅行と関係ないものが羅列されてってる気がするんですけど、いったいどこに行ってたんだ。
というか、土産でこんなに受け取れませんって。
「ううん、いいのいいの。
ママが『あの低空飛行だったあんたの成績をここまで伸ばしたのだから、たんとお礼しないと!』って躍起になってぽんぽんいれてってね。」
それでも……
「『感謝の気持ちなんだから絶対に渡すのよ!』って念入りに言われててさ、だから受け取ってよ。
それとあとで一緒に食べよ?」
……ふふ、じゃあありがたくいただきますね。
「うん!」
じゃあ、しまってきますね。


お待たせっ。
「だいじょーぶだいじょーぶ」
ヨミは満面な笑みで腕を天に伸ばして、
「それじゃ、いこっか!」