理解と表現に疎い主人公のリオちゃんのサクセスストーリー。
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タイトル:マンガで読む 「分かりやすい表現」の技術
著者:カノウ
出版社: 銀杏社

この本はブルーバックスで出版された同名の新書の漫画版となっております。
たいてい、このような本はキャラのフキダシが大きく、「ぺらぺらぺらぺらと上から目線で語っていくキャラ」と「それに相づちをうつキャラ」で構成されている本が多いです。
前者を先生キャラ、後者を生徒キャラと呼びます。私の造語ですが、実際にこのようなコミカライズした作品のほとんどはこのパターンに陥りやすいのです。

ただ、この本はそのようなことはないです。解説キャラと生徒キャラが延々と喋る漫画ではないのです!
しっかりとキャラに個性が設定されており、話の導入やキャラの紹介、本筋への移行にかなりのページを割いて描いてます。
それゆえ、普通の漫画と同じような感覚でサラサラと読むことが出来ます!




これはコミカライズした漫画家の実力なのですが、キャラが綺麗で可愛らしいです。
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一番左が主人公で、桜野リオちゃん。他の三人は主人公が上京して就職したデザイナー事務所の同僚です。
キャラの豊かな表現も魅力的です!漫画家の実力がすごい!
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泣き顔から自信満面な顔、弱気な顔から喜びの顔など。表情豊かに描き分けており、それを追っていくだけでも面白いです。今上げた画像だけでも、主人公の眼は全て違う描き分けができてますから、素晴らしいです。
すごいなと感じたのが眼の描き方、基本がありながらそれとは全然違う描き方がたくさんあり、場面や感情表現に応じて使い分けができていて、未熟な私にはすごく勉強になります。

「分かりやすい表現」というのはポスターやパンフレットなどの表現に重点が置かれています。
ただ、それでもしっかりと読んでいけば文章を書く際に使えることは多くあります。色々と拾っていって僕の空白を埋めていきます。


「分かる=情報が脳に整理された状態」
ということを念頭に置いて、脳に整理されなければ分かったとは言えず、ポスターを見た人が読みやすく感じないと意味がないのです。

具体的にリオちゃんが作ったポスターを例に、何が悪いのかを指摘するものとなっています。
リオちゃんが作ったポスターの悪いところ。7つの犯人。それは、
1:親切心の欠如
受け手を考えて気配りをし、分かりやすいように整理する親切心、サービス精神

2:受け手のプロフィールが未定義
誰に向けて作られたものなのかを確認する

3:欲張り
伝えたい情報を要点と詳細に分けて、詳細を省く。

4:情報のサイズ違反
重要な情報は大きく、些細な情報は小さく。

5:共通項でくくっていない
同じことを二度繰り返すなら、くくるのがよろしい。

6.相互関係を明示しない
同じ内容はまとめて、対比する部分は明確に強調
大きな項目から小さな項目へとメリハリをつける

7.視覚特性の無視
内容を四角でくくって、分かりやすくするなど。

これを踏まえての、10の改善点。
1.受け手のプロフィール設定
2.複数解釈を許さない
3.情報の受信順序を明示
4.情報のサイズ制限を守る
5.欲張らずに場合によって詳細を切る
6.情報に優先順序
7.共通項でくくる
8.相互関係を明示
9.見やすさ重視
10.おもてなしの心

この1,2,3は使えます。
1を考えてみましょう。今呼んでいるこの記事を例にとって。

そもそもこのような記事を読むのはどのような人なのか、文章力に自信がある人がこんな記事なんて読まない。だったら、この記事を読む人は自分の表現に不安を覚えていて、そんな自分を改善したくて読みに来ている。
なら、まずはこの本の面白いところを紹介して、実際に読んでもらおう。それでも駄目なら、具体的にどんなことが書かれているのかを上げて「うん、この本は役に立ちそうだな」と感じてもらおう。

こんな構成となっています。

2は「曖昧な発言はしない」と言い換えることができます。自分の主義主張を明らかにして、読んでいる人に「この人は何を考えているんだ?」と思わせないようにする。
3は「どこから読むか?」になります。ブログなら単純ですね、最初からです。
ただ、これを重要と考えるのはなぜかといえば「起承転結を意識しておけ」ということ。最後の結びもなくぐだぐだと続けていてはいけないよと。


他にも、今までにあげてきたことをまとめて、表現をより良くするための16コのルールがあります。
ただ、こちらは本を実際に読んでみてください!チェック欄つきで確認しやすくなってますよ!